Edible Lenticular Cuisine:レンズ形状のゼリーを活用した多視点からの見た目が変化する料理の提案

明治大学大学院 先端数理科学研究科 先端メディアサイエンス専攻 宮下芳明研究室
吉本健義

採択技術名

Edible Lenticular Cuisine:レンズ形状のゼリーを活用した多視点からの見た目が変化する料理の提案

採択者名

明治大学大学院 先端数理科学研究科 先端メディアサイエンス専攻 宮下芳明研究室
吉本健義

採択年

2024年

※掲載している情報は、受賞当時の情報のため、現在は異なる場合があります。

詳細

本技術によって、視点によって見た目が変化する食品を作ることができる。ゼリー素材を光学素子の形状に成形し、特殊な画像パターンと組み合わせることによってこれを実現している。開発したデザインシステムは、計算機によるシミュレーションと形状の最適化機能、および3Dプリンタを用いたファブリケーションとの連動によって、ユーザの意図した視覚効果をもつ食品の設計と生成が行える。ピッチや曲率半径などの形状パラメータを調整することで、視覚効果をデザイン可能である。この技術を活用した料理開発により、視点によって色彩や画像が変化する独創的な食の表現を開拓し、より豊かな食体験の創出を目指している。

社会実装
について

私たちは技術開発のみならず、フレンチレストラン「élan vital」との共同研究によって本技術を活用した料理表現の開拓も進めている。その成果である「レンチキュラーサラダ」は、既に店舗で提供され、好評を博している。また、本技術の汎用性を高めるため、画像パターン自体も料理の一部として組み込む方法を検討中である。こうした製造方法が確立すれば、食品メーカーとの連携が可能となり、たとえばお菓子やスイーツに技術導入を行って、エンタテインメント性や驚きを伴う食品を普及させることもできると期待している。

審査講評

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お菓子とデザートは、そもそも錯視のような楽しさを与えてくれる食べ物だ。そこを見事に組み合わせてきたのにはヤラレタという印象だ。個人的に錯視のプロジェクトをやっていたこともあり興味深く見ていたが、審査員全員の評価も高かった。いままでも3Dプリンタによるお菓子やデザートの出力はあったが、実際にレストランで供したり、製品化も視野に入れている点も評価できる。子供が作るキットなども楽しそうだ。
(遠藤諭 委員長/株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員/MITテクノロジーレビュー日本版 アドバイザー/ASCII STARTUPエグゼクティブ・アドバイザー)

後援
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